地形輪廻
陸地の表面には、高い山地、深い谷、広い平野など様々な形と高低起伏がありますが、それらの形状は人間の一生のうちにはほとんど気づかない程度で変動しています。変動を起す原因は二大別され、一つは土地を内部から動かすもの、内営力、地殻変動あるいは火山活動に由来し、他は地表を外側から変形させるもの、外営力、風化と侵食の両作用が営むことです。外営力のうち侵食の作用は、気候の違いなどによって生ずる様々な営力、河川の水、氷河、乾燥地の雨水と風食、海岸の波、石灰岩地方に働く地下水の溶解作用などにより受け持たれますが、いかなる場合も、初めに内営力によって出現した高い土地、原地形がまず部分的に刻まれはじめる幼年期、しだいに侵食されて谷となった部分が増すとともに、地表の起伏が大きくなってくる壮年期、その後もとの土地がほとんど残らないほど緩く低い地表となってくる老年期、ついに侵食する余地がなくなった状態の準平原に達します。これを侵食による地形の輪廻と呼び、侵食にたずさわる営力の面から河食輸廻、氷食輪廻、乾操輸廻、海食輪廻、カルスト輪廻に分けられます。この地形変化は、内常力が復活して、新たな原地形ができれば、また同じように繰返されます。

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