自然堤防

河床勾配の極めて緩い大河川の下流地方で、平時は河道を緩やかに流れでいる河水が、降雨後の増水時に河道を溢れた時、周囲の平野に拡散するという現象が起こります。つまり溢流による氾濫ですが、この時上流から濁流とともに運搬されてきた土砂が、溢流後の拡散で急激に平野にまき散らされるため、長年の氾濫を経ると河道沿いに比較的粗大な砂質堆積物からなる高まりができます。これが自然堤肪と言われる地形をなし、河道から離れた場所には組粒の泥土からなる低湿地、後背湿地が残されて、高燥な自然堤防と対照的に区別されます。自然堤防の高まりは、利根川や信濃川のような大河川の下流でも後背湿地との比高はわずか2mかに3mにすぎませんが、平野の土地利用上顕著な特色がみられます。例えば後背湿地が水田単作の場合に、自然提肪には果樹園や畑地の耕作景が展開し、集落の立地にも好条件となります。

地理地形

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