氷河
氷河とは降雪の絶対量が多く、あるいは寒冷のために融雪が極端に制限される場所で、一年のうちに残雪が消失しきらないと万年雪となり、年年積雪量が増して、下積みになった雪が重庄のために融け、再凍結して氷塊となります。氷塊の量が多くなって、もしそこが傾斜地ならば自らの重力で下方に滑降する山地氷河、平坦地でも側方へ押しのけられるように移動する大陸氷河すると氷河となります。日本語の水河の概念は、このうち山地氷河の特に谷を流下する部分を指していますが、英語のグレイシャーは広く、移動する氷塊を言います。氷塊の下では重圧による融氷水が地画に浸み込んで再凍結するので岩石を激しく破壊します。また氷塊が移動すると、河川の侵食ははるかに強力で、河川とは異質の面積的な侵食を地表に加え、氷の消える所に運搬物の巨大な礫や摩擦ですりつぷされた砂、粘士などを堆積します。この堆積物をモレーン と言い、氷河の消失した後にも氷河の流れた範囲を暗示します。今日の地球上には大陸氷河は南極大陸とグリーンランドにしがありません。つまり現在は温暖な時代、後氷期ですが、過去の地質時代には寒冷な氷期が何度も訪ずれていました。その証拠は、氷河の侵食した平坦な土地と、モレーンの存在によって明らかです。

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